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執筆者の写真Bobson

エーデルワイス


どーも、「えーと、僕の特技は、太ることです!」でお馴染みのBobsonです。 10kg痩せたと思ったらすぐに5kgリバウンドです。 ダイエット再開しなきゃ……。 と言いつつラーメンを食べながらこれを書いています。 3/2にブス会さんの「エーデルワイス」を鑑賞してきました。

この文章を書いている今日は3/3なのですが、ネタバレ感想を書きたくてしょうがなかったので、UPをブス会さんの千秋楽翌日の3/11にしています。

まずあらすじです。

----------- 今作『エーデルワイス』は、ペヤンヌマキが描く現代を生きる女性の為のおとぎ話。「王子なんていない」と絶望の淵に立たされた女は「魔女」になってしまうのだろうか。 主人公はスランプに陥っている漫画家、森アキナ、43歳(鈴木砂羽)。自身の代表作「たたかえ!いばら姫」以降、ヒットを出せずに苦しんでいる。長年の付き合いの担当編集者も呆れ顔。 「たたかえ!いばら姫」は地方から上京した18歳の女性・ミユキが様々な価値観に翻弄されていく物語。自分が何者か見出せないままのミユキは、男たちに「NO」を言えず、流され続けてしまう。ちまたに溢れている「女の幸せ」という呪いをかけていたのだった。30歳の誕生日にどん底に到達したミユキは、やっと「自分だけにできること」を見つけるが・・・。 過去の自分を認め和解するという普遍的なテーマを、ペヤンヌマキ自身の経験を投影し、過去と現在を交錯させながら描きます。

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ブス会さんは3度目になります。

そして3回とも同じ友人と観に行っています。

同じ友人と観に行くと前回、前々回の話を交えつつ今回の感想が語り合えるのでいいですね!

総じて演出が好みでした。

演出に関しては、ペヤンヌさんがネットの記事で以下のようなことを言っていました。

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今まではわりと空気感を重視した芝居をやってきましたが、今回、東京芸術劇場という大きな劇場でやらせていただくことになり、もっとエンターテインメント色が強いものにしたいと思いました。劇中にダンスを取り入れたりなど、演出的にも初めての試みに挑戦しています。

 恋愛の部分は生々しさを重視していますが、今回はそれをファンタジーでコーティングして「大人のおとぎ話」として描こうと。舞台美術も、いつものブス会*は具象舞台が多いですが、今回はお城をイメージした抽象舞台です。

 ファンタジーでコーティングしようと思ったのは、最近好きでよく観ているディズニー映画の影響が強いです。『男女逆転版・痴人の愛』を上演してからというもの、いろいろなディズニー映画を男女逆転させて観るクセがついちゃって(笑)。『美女と野獣』を男女逆転させて観たら、すごく感情移入してしまったんです。心を閉ざしているババアのもとに読書好きな美少年が現れて……という(笑)。そのイメージがまずあって、それを俳優さんを通すことで形にしていった感じですね。

 今回は特に気合いが入っていて台本も早めにあがったので、俳優さんも早い段階で役柄をつかんでくださいました。今日初めて通し稽古をしてみて、とても手応えを感じました。あとはもっと細かいところの空気感や、ステレオタイプではないその俳優さんならではの生々しさを出していきたいですね。

 今回は本当に今までのブス会*にはない挑戦がたくさん詰まっています。でも今までのブス会*を好きでいてくれた方も楽しめる内容になっていますので、どうぞご期待ください。

【SPICE エンタメ特化型情報メディア スパイス より】

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私自身、具象と抽象を混ぜた演出をよく用いるので、そういう意味でも今回の舞台は良い刺激を受けました。

ダンスシーンがあったりするのは、なかなか意味があるなと思っています。

ミユキははじめ小説家を目指す大学生と恋に落ちるのですが、

2人が意気投合できた理由が、

世の中には、人前で踊れる人間と踊れない人間がいて、自分たちは踊れない人間だから。

というものでした。

そんなミユキが後半で色んな男たちとダンスをするというのは、ミユキの変化を描いているようで面白いなと感じました。

物語の前半で、舞台の上からマイクが降りてきます。

森アキナは度々「ダサいのよ」というなんとも単純な歌詞の歌を度々歌います。

これ主に男どもに向けて歌ってるんですが、

私も結構、日々生活をしていく中で、誰かに対してこの「ダサいのよ」を

歌っていることがあるなぁと共感しました。

政治の話でよく野党の発言がブーメランだって取り沙汰されると思うんですが、

人が人に批判をする時って往々にしてそれがブーメランとして返ってくることってありますよね。

私も人を「ダサいのよ」と思いつつ、ある時には自分に対して「ダサいのよ」を歌ってたりするわけです。

マイクが降りてきて歌った時に、ブス会さんってこういう感じもやるんだーと友人共々思ったので、上記のペヤンヌさんのコメントを見て非常に納得しました。

前回の芝居は笑いはそこまでなかったのですが、今回は結構ありました。

特に後藤さんの筋肉ネタが。笑

あれはアテ書きでしょうね。

登場シーンでいきなりサプリボリボリ食ってるんですよ。

そして大爆笑したのが、ブス会さん恒例の「濡れ場」。

ブス会さんは舞台上でしっかりこれを描くので好きなんですが、

今回ミユキは色んな男と付き合ったり別れたりするのですが

チョイスされた濡れ場は、ミユキと後藤さんの一夜限りの夜。

そこ!?

もう激しいのなんの。笑った笑った。

後藤さんとまさかそういう関係になるとは思ってなかったので、その意外性も相まって非常に笑いました。

土砂降りどころか、滝みたいに降る雨の音も印象的でしたね。

ミユキはその時付き合っていた(不倫していた)漫画家先生を嫉妬させるためにそんなことをしてしまうのですが、その辺りはやはり女の人ならではなのかなぁと思いました。

なんか女の人って抱かれたくもない男に抱かれがちじゃないですか?

男って恋人との関係が悪くなっても抱きたくない女を抱くことってそうそうないと思うんですよね。

……って書きながらそんなこともないかも、抱きたくない女抱く羽目になったことあったかもと思ったので、この話やめます。笑

ミユキの恋愛には、「自転車の2人乗り」が結構キーとなって出てくるのですが、

時間経過の演出で、経過時間が書いてある旗が差してある装飾された自転車に乗った男が舞台前面を走ることで表現するのも面白かったです。

「大人のおとぎ話」を自称していることから多分装飾された自転車は紙芝居屋さんをイメージしてるんじゃないかなーと思いました。

自転車に関して言うと2人乗りをするシーンの前に必ず自転車がホームレスに盗まれそうになって、ホームレスが大学生やイケメンに一言怒りをぶつけるというシーンがあるんですが、

あそこが何を意味しているのかがイマイチわかりませんでしたね。

1個1個好きだった演出について書くと、すごく長くなるので、

ここからは好きな演出を箇条書きにします。

・舞台装置・・・おとぎ話というところからお城の抽象舞台。好きです。

・人形を使った説明・・・おとぎ話という世界観にマッチしていてよかったです。

・文字を読ませる・・・弾幕のような布に絵本のような文体で書かれた文章を読ませるのも面白いと思いました。最近は文字を読ませる演出だとプロジェクターが主流なので、布というアナログな感じが新鮮でした。

・有村なるみ・・・後半、俳優の彼氏が有村なるみという女にはまっていき、森アキナが有村なるみを調べていくところがあるんですが、その演出が好きでした。

音響で「アリムラナルミ」「アリムラナルミ」「アリムラナルミ」「アリムラナルミ」「アリムラナルミ」「アリムラナルミ」「アリムラナルミ」「アリムラナルミ」「アリムラナルミ」の名前が連呼されるところが非常に印象的で、このやり方は今後何かに使わせていただくかもしれません。

それにしてもこの「アリムラナルミ」は劇中でボロクソに叩かれるのですが、ペヤンヌさんは有村○みさんが嫌いなのでしょうか?笑

ストーリーに関しては、20代、30代、40代と女性の恋愛を描いていく形は、そんなに特殊ではないと思うのですが、その生々しさが非常にうまく、飽きずに見ていられました。

いつも思うのですが、女性劇作家さんの脚本に出てくる男ってクズ男が多い気がします。

この間見た根元宗子さんの舞台もそんな感じでした。

男に恨みがあるのか? いやな男とばかり付き合ってきたんですかね?笑

思ったのは、単純にミユキの恋愛=森アキナの過去としていいのかというところです。

ミユキの恋愛は森アキナの漫画「たたかえ!いばら姫」のストーリーとして描かれています。

思い出は美化されるものです。

そして漫画化されているとなれば脚色も強くなっているでしょう。

そう考えると森アキナは、自分の過去への幻想に囚われている部分があるのかもしれません。

森アキナは過去の恋愛を美化し正当化し縛られていただけではないのか、と。

ただここは特に明示はありませんでしたので、答えはわかりません。

後個人的に好みではなかったのはラストの終わり方です。

これ、ハッピーエンドな感じ(ご都合的な感じ)で終わってるんですよ。

でも物語の途中で、「たたかえ!いばら姫」がドラマ化されるとなった時に

ハッピーエンドにするかどうかで揉めるんですね。

TV局のPは「人々はハッピーエンドを求めている」的なことを言って

結局ハッピーエンド=結婚という結末をドラマは迎えます。

が、視聴者の意見を聞いたPは森アキナに「終わり方の改変は失敗だった」と話すわけです。

そういうものを見せておいて、最後「私は書くという幸せを手に入れるんだ」というハッピーエンドを見させられても「うーん」となるわけです。

森アキナの恋愛の仕方は40代になっても変わってないんですもの。

どうして王子様を諦められたのか不明です。

最後、純朴なおじちゃんに恋をしそうになるのですが、おじちゃんに逃げられてしまいます。

でもそれがトリガーになるとは考えづらいんですよね。

昔の自分と今の自分が会話をするシーンがあるのですが、そこでも昔の自分が今の自分を動かすほどのパワーを持ってはいないように感じました。

ラストで魔女の呪いが解け、お姫様は閉じ込められていた塔から出てくるという結末なのですが、これが結婚(王子様)という呪縛からの解放の物語なのだとしたらやや古い考え方という印象を拭えません。

これは友人が言っていたことですが、今の時代「結婚が女の幸せというわけではない」というストーリーは当たり前になってきていて、結婚するかしないかという選択は既に人々(特に若い世代)にとって響きにくいものになっていると思うんです。

とはいえ、主人公は40代ですし、まだまだそういう考え方がある世代でもあるのかなとも思うので、それはそれでアリなのかもしれません。(おとぎ話って古いものだし)

若い世代としてはもう一捻り欲しいところかなとは思いました。

総評として、はじめにも書いた通り演出に非常に刺激を受けたので、

今後の作品作りの糧にできるようなモノに出会えたなあと感謝しております。

こちらからは以上です。

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