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  • 執筆者の写真Bobson

スリー・ビルボード


どーも、「駐輪場って値上がりするかね!?」でびっくりのBobsonです。

久しぶりに違う駅使ったら50円値上がりですって。なぜ?

さて、見てきましたスリー・ビルボード。

予告編で気になってはいたんですが、前評判が超いいので観に行くことを決定しました。

前評判、特に批評家からの前評判がいい作品って私みたいなライト層が感想書くの難しいですよね。

よかったと書けば流されているだけと言われ、

悪いと書けばにわかと罵られる。

以前記事にもしましたが、好みですってば。好み!怒

で。なんで怒ってみたかというと、

作中に「怒りは怒りを来す。」と言う言葉が出てきまして、まさにそんなお話だったからです。

総評としては、好きですが、大好きまではいかなかった印象です。

そもそもこういうブラックなの苦手な人はアウトですね。差別発言とかいっぱい出てきますし。

でもとても刺激を受けました。刺激を受けた理由は後ほど。

今回ちょいネタバレありなので、まだ見ていない方はご注意を。

まずはあらすじです。

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アメリカはミズーリ州の田舎町エビング。さびれた道路に立ち並ぶ、忘れ去られた3枚の広告看板に、ある日突然メッセージが現れる。──それは、7カ月前に娘を殺されたミルドレッド・ヘイズ(フランシス・マクドーマンド)が、一向に進展しない捜査に腹を立て、エビング広告社のレッド・ウェルビー(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)と1年間の契約を交わして出した広告だった。 自宅で妻と二人の幼い娘と、夕食を囲んでいたウィロビー(ウディ・ハレルソン)は、看板を見つけたディクソン巡査(サム・ロックウェル)から報せを受ける。 一方、ミルドレッドは追い打ちをかけるように、TVのニュース番組の取材に犯罪を放置している責任は署長にあると答える。努力はしていると自負するウィロビーは一人でミルドレッドを訪ね、捜査状況を丁寧に説明するが、ミルドレッドはにべもなくはねつける。 町の人々の多くは、人情味あふれるウィロビーを敬愛していた。広告に憤慨した彼らはミルドレッドを翻意させようとするが、かえって彼女から手ひどい逆襲を受けるのだった。 今や町中がミルドレッドを敵視するなか、彼女は一人息子のロビー(ルーカス・ヘッジズ)からも激しい反発を受ける。一瞬でも姉の死を忘れたいのに、学校からの帰り道に並ぶ看板で、毎日その事実を突き付けられるのだ。さらに、離婚した元夫のチャーリー(ジョン・ホークス)も、「連中は捜査よりお前をつぶそうと必死だ」と忠告にやって来る。争いの果てに別れたチャーリーから、事件の1週間前に娘が父親と暮らしたいと泣きついて来たと聞いて動揺するミルドレッド。彼女は反抗期真っ盛りの娘に、最後にぶつけた言葉を深く後悔していた。 警察を追い詰めて捜査を進展させるはずが、孤立無援となっていくミルドレッド。ところが、ミルドレッドはもちろん、この広告騒ぎに関わったすべての人々の人生さえも変えてしまう衝撃の事件が起きてしまう──。

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まず何が刺激になったかって、このお話、非常に演劇的だったんですよ。

閉鎖された街が舞台だったので、登場人物も限られてきて、

1つの噂、例えば署長さんが癌であることとかが町中に知れ渡っていたり、

「情報」の有無で人物の行動が変わっていくんです。

全て登場人物の行動には明確な理由が用意されていて、きっかけがあって人が動きます。

この物語の場合、その多くは人の死でした。

でも綺麗すぎたんですかね。人の死からの動く理由は見ていてわかるんですが、

登場人物が異常すぎて理解はできても共感までいかない。

善人が善人すぎるところもあるし、唯一普通そうに見えたミルドレッドの息子ですら

いまいち共感を持てない。

予想できない意外な展開、ところどころに散りばめられた布石、飽きさせない描写(やりすぎ感もありましたが)など構成的には非常に面白かったし、参考になりました。

その分、人物描写がストーリーに負けていたのかなと。

いや、キャラは好きなんですよ。それぞれ。

で、それぞれを丁寧に描いているはずなんです。

みんな頭おかしかったとしても、そこに多少共感できる部分はあると思うんですが、

私は理解にとどまってしまいました。

母娘の描写とかあんなにベタな演出じゃなくて別の演出の方が…。

まあベタはベタで面白いんですが、この作品の場合意外性意外性できてるので、

ベタ以外を期待しちゃいますよね。

それでも十分面白かったんですが。

私は結構現実にいなそうなキャラをあえて象徴として描くので、理解を共感にするにはどうしたらいいかという点でもとても考えさせられました。

単純に私だけ共感できていないのかもしれませんが。

もしくは銃社会というアメリカならではの過激な感情の沸騰の仕方なのかも。

そしてこれは私が悪いんですが、ところどころの小ネタがわからない。

知識を前提としている軽妙な、ブラックジョーク的なやりとりのはずなんですが、

知識がない私にはわからなかったんです。

ライト層ですいません。。。

あ、あと好きだったのが優しい音楽に乗せて凄惨な描写をするところです。

そういうのは今後自分もやりたいなーって思います。

際立ちますよねー。

話は変わって。

本筋にはそこまで関わってこないんですけど、娘さんはレイプされて火をつけられて亡くなったそうですが、普通火ぃつけますかね?

これはどうでもいいっちゃどうでもいいことなんですが、気になったので書きます。

この作品は犯人探しが主体のお話ではないんですが、どうしても犯人を探したくなった時に、

火を使うって事は計画的犯行なんじゃないのか、そんでもって計画的犯行ができるなら身内の仕業じゃないのかって思うんです。

とっさに火をつけるってアメリカじゃ普通なんですかね?

そんな都合よく何もない通りで準備もなく火つけられますかね?

でも警察が娘の交友関係をしらみつぶしにあたる描写も特になかったように記憶しています。

ってことは通りすがりの輩がやったってことなんですかね。

それとも身内でどこかの圧力がかかってるとか。

あんな辺境の場所なら森とか山の中に埋めちゃう方が発見遅れそうですし、

初犯っぽい感じを見るに火をつけようって発想になかなか至らないような気もするんですが、どうなんでしょう。

なんかあのシーンやあのシーンをやりたかったから火だったのかなーなんていう風にも考えました。

でもあのシーンやあのシーンが印象に残るんですよねーやっぱり。よかったです。

レイプって犯人捕まえるの難しいんですよね。特に初犯だと。

それで自殺なんかしちゃったりするともう真実は闇の中です。

今伊藤詩織さんがレイプの告発裁判をしておりますが、

戦うのも自分を痛めつけることになって生半可な覚悟でできることではありません。

一方犯人の方はそこまで罪の意識が高くないんですよね。

日本でも強姦は初犯だとほとんど執行猶予がついたりします。

でも、2017年に法改正されて、以前よりかなり厳しくなったんですよ。

すいません。脇道に逸れました。強姦の話は一度書いたことがあったので、つい。

役者陣はもう素晴らしいの一言なんですが、その中でも

サム・ロックウェルさんがすごかったですね。

難しい役だらけの中、群を抜いて難しい役だったような気がするのですが、

本当に終始そういう人に見えてました。

ウディ・ハレルソンさんには泣かされたなー。

この雰囲気の映画で泣くと思ってなかったもんなー。

あの辺の下りからの一幕が一番好きだったかもしれないです。

あ、そうそう途中動物が出てくるんですが、それの意味とか、気になります。

とにかくこの作品、とてもとても解説が欲しいです!笑

楽しんでますね私。

「怒りは怒りを来す。」(Anger begets greater anger)冒頭でも書いたように、この言葉が作中に出てくるんですが、まさにその通りのお話でした。

母親の怒りを軸にビルボードを媒体として広がっていく怒り。

そして火の話。

そう、怒りといえば炎ですね。やっと戻ってきました。

炎が炎を呼ぶ。炎上ですよ。炎上。そしてビルボード、つまり広告という媒体。

閉鎖された街の炎上事件だったのではないかなと私は感じました。

違ってたら超ダサい。笑

まああくまで私個人の感想です。

なんかいつにも増してまとまりのない文章ですが、それだけ刺激を受けたので、整理されていませんということで。

こちらからは以上です。

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