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執筆者の写真Bobson

ぼくらの90分間戦争


どーも、わりと混んでる電車で自分の隣の席だけ誰も座らないと自分が臭いみたいになるよねーでお馴染みのBobsonです。

空いてるなと思ったら誰かがゲロってた後だったりとかもしますよね。

さて、先日ボクラ団義さんの「ぼくらの90分間戦争」を見てきました。

あらすじは以下のような感じ。

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突然訪れる 大切な誰かとの別れ際 もう二度と会えなくなるまで あとどれくらいの時間一緒に居られるだろう その時間がわからないから わかるまでそこにいる 企画演劇集団ボクラ団義10周年記念公演は 劇団員のみによる 三都市(二区・一府)を回り 約一ヶ月に渡って上演するロングラン公演!! 上演時間は約90分……!! ボクラ団義が送る 別れ際の人間たちの静かなる戦いの物語

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引用が少し何の話か分かりづらいので、ざっくりストーリー。

病気で余命わずかとなった綾瀬顕一という人物が、病院から移動して療養している山梨の別荘。そこに彼の中学時代の同級生たちや兄、元妻などが訪れる。中学時代の同級生は彼の妹が中学時代の旅行中に湖で事故死してしまった件について何か秘密を抱えているらしい。顕一にそのことを話すか否か悩む同級生たち。顕一の余命が迫る中、徐々に抱えていた真実が明らかになっていく。

まずボクラ団義さんに関しては、

「時をかける206号室」

「飛ばぬ鳥なら落ちもせぬ」

「さよならの唄」

に続いて4回目です。

いつものボクラ団義さんは、シーンの展開が早く、舞台装置を動かし、ダンスもあったりとザ・エンターテインメントという形が多いのですが、今回は打って変わってワンシチュエーション作品でした。

軽いノリで前説が始まったのですが、最後「繊細な芝居なので」という言葉を連発されていて、確かになと。普段のノリとは違うなと思いました。

これを10周年記念作で、20作目の本公演作品に持ってきたのは、非常に挑戦心を感じます。

タイトル「ぼくらの90分間戦争」ですが、「ぼくらの〜」と聞くと宗田理さんの「ぼくらの七日間戦争」を思い起こしますよね。私も読んだことはありますが、青春ものの代表作ではないでしょうか。

私は以前「ブルーシートパラダイス」という作品で青春の青が黒に染まっていくお話を書いたことがあります。今回、それに近い印象を受けました。つまり好みなテーマでした。

タイトルについては主催挨拶に少し書いてあったので抜粋します。

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今回のタイトルである、『ぼくらの90分間戦争』。今回の公演で初めてボクラ団義の公演を見て下さるお客様は「この劇団、もしかしてタイトルに必ず『ぼくら』って入れてるのかな?」と思うかもしれません。そして「恥ずかしい劇団だな」と思うことでしょう(笑)正直な話、今回のタイトルを劇団員たちに伝えた時もタイトルに劇団名の一部を入れるって恥ずかしいなと持ちきりになりました(笑)なので勿論初めてのことなのです。

(中略)作家の宗田理さんの作品が少年時代から大好きで、『ぼくらの〜』シリーズは全巻読破させていただいておりまして。『家族談義』って言葉があると思うのですが。その『談義』に大好きな『ぼくらの〜』シリーズの『ぼくら』を当てはめて、劇団名にしたという、まあ言ってみれば「なんてことない」理由で(笑)。なんてことなさすぎて、時が経てば経つほど経緯が照れくさくなったという感じなのでした。なので、今回は思い切ってその『ぼくらの〜』シリーズでも一番有名作品である『七日間戦争』をもじったタイトルにしようと決めたのです。勿論、作品も大好きです。ですが、タイトルはもじるけど、内容は全く違ったものにしたくて、『七日間戦争』を少しでもイメージしてご来場くださった方はびっくりするかもしれません。でも、やりたくてやりたくて仕方ない挑戦を、この十周年記念公演でやらせて頂きました。

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ボクラ団義さんの名前の由来ってそうだったんですね。初めて知りました。

そして内容に「七日間戦争」関係ないんですね。笑

開場に入って最初の衝撃でした。

てっきりどこかに立てこもる話かと。

今回、客席はほぼ満員だったにもかかわらず、私の両サイドの席が空いていて超快適でした!

運が良すぎる。ノー圧迫感で見れました。

わ、私が臭いからじゃないんだからね!

てな訳で内容です。

演劇脚本のお手本のような話を見ている気持ちでした。面白かったです。

人の会話というのは往々にして、その場にいない人の話になりがちです。

そして「あいつがいるからできない」「こいつがいるからできない」と言った話がありがちです。その空気感をワンシチュエーションで表現していくのが現代会話劇の原点の一つだと私は考えているのですが、まさにそれを綺麗に実行していました。

まず一番話の肝になる余命わずかの綾瀬顕一は最後まで登場しません。

話は彼が治療を受けている隣の部屋で終始展開します。

「キサラギ」のミキちゃんや「桐島、部活やめるってよ。」の桐島のパターンですね。

登場しないことによってその人物に対するお客さんの想像力をかきたてます。

次に入れ替わり立ち替わりするキャストたちです。

人数が多いため多少強引かなと思う出ハケの箇所はありましたが、誰がいるのか、誰がいないのかの状況で上手に真相へと話を進めていった感じがありました。

途中ラインのやり取りをスクリーンで見せる演出がありました。

その演出自体は面白くて私も好きなのですが、せっかくだから全編会話のみの方が空間が際立ったのではないかとも思いました。

真相で引っ張ることで90分間飽きさせない作りになっていたと思います。

そして飽きさせないため他の小さい真相を途中に入れていく。

お手本的です。ワンシチュエーションを書くときは見習おうと思いました。

節目節目にタバコの演出が出てきます。

別荘とタバコって相性いいんですよねー。

私も最近書きました。

中学時代のノリってやっぱり独特で、よく学生時代と社会人になってからは感じる年数が違うと言いますが、本当にその通りです。

2日だけつき会うとかも中学生ならではですが、たった2日がめちゃめちゃ印象に残るんですよね。

コメディ要素はほぼゼロでした。

ボクラ団義さんは笑って泣けるタイプが多いんですが、今回は全編シリアスで進んでいきました。

話がまるで変わりますが、湖での事故で真相がわからないと聞くと

「岡山地底湖行方不明事件」が頭をよぎりました。

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平成20年1月5日午後6時15分ごろ、岡山県新見市豊永赤馬の洞穴「日咩坂(ひめさか)鍾乳穴(かなちあな)」(奥行き約1600メートル)の奥にある地底湖(深さ約32メー トル)で遊泳していた高知大学3年生の男子学生(21)が行方不明になった、と 一緒に洞穴を訪れていた仲間から110番通報があった。県警新見署員ら約30人が 捜索を続けたが、学生は見つかっていないという。 同署や新見市消防本部などの調べでは、学生は大学の洞窟(どうくつ)探検サークル に入っており、学生や社会人など近県から集まった計13人で新見市を訪れていた。 不明の男子学生は、計5人で午前11時半ごろから洞穴に入り、午後2時半ごろ、 着衣のまま遊泳している最中、行方がわからなくなったという。 新見市教育委員会によると、この洞穴は県の天然記念物に指定されており、洞穴に 入るには同市教委への届け出が必要なのに、学生らは届け出ていなかったという。

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この事件が真相不明でミステリアスなわけは、以下のようなことが関係しています。 ・入洞届を提出してない ・5人いたのに地底湖で泳いだ(泳がされた)のは被害者の1人だけ ・溺れるところを誰も目撃してない ・溺れた時の状況説明がニュースソースによってコロコロ変わる ・「タッチした」という声は聞こえたのに、助けを求める声などは一切聞こえなかった ・救助活動を行わず現場に誰も残さないまま全員帰ってきた ・「探検に必要な装備は備わっていた」と強調 ・遭難事故では隊長が記者会見するのが普通だが、逃げ回って記者会見をしない ・探検部のページから「部長 白米美帆」「副部長 伊藤智子」の名前を真っ先に削除 ・探検部は女性が多く(男15:女10)、部内で恋愛やトラブルが起きやすい状況 ・いつもは行き過ぎた報道合戦を行うマスコミが今回は部員に全く取材を行わない ・被害者の知人を名乗る人物が高知大学のリモートホストから2ちゃんに削除依頼 ・被害者のmixiに勝手にログインしてプロフィールを改竄し両親にとって大切な思い出となるはずの日記を全て削除

考察サイトはいっぱいあるので、気になった方は検索してみてください。

違ってるかもしれませんが、今回のお話はこの地底湖事件をモチーフのひとつにしている気がします。

事実は小説より奇なり。こう言った事件について調べるのも好きです。

学生だけで行く旅行、一生ものの思い出になります。

でも何か起きてしまうと一生ものの傷になってしまう可能性も孕んでいます。

幸い私は楽しい思い出しかないですが。

あー普通でよかったー。

ふとパンフレットを見るとどうやら次回もワンシチュエーションのようです。

殺陣・アクションシーンのほとんどない異色のワンシチュエーション時代劇だそうです。

しばらくそういう方向性でいくのでしょうか。

私としては交互くらいのペースでエンターテインメントも見たい気がしますが。

と言いつつ見に行きます。次は6月から7月かー。

こちらからは以上です。

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