どーも、夏になると、どこへでもサンダルで行きたくなるBobsonです。
靴下蒸れる。
本日やっと「22年目の告白-私が殺人犯です-」を観てきました。
予告編から内容が好きそうだったので、興味を持ってたのですが、
なかなか行けずにいました。が、今日やっとレイトショーでなんとか。
韓国映画の方は観てません。完全に初見です。
22年目の告白。
22年前って私4歳ですよ。 何も覚えてないですね。告白もクソもないです。 そう考えると壮絶な話ですよね。 志村けんは既に変なおじさんを始めています。
87年から変なおじさんは始まったそうです。
すごいですね。
内容はというと、
あーーーーー、ダメだ!
なるべくここには批判めいたことは書かないようにしていたんですが、
こういうジャンルが好きな故に止められない。
どうしてもボブラートに包みきれないです!
(ボブラート=ボブソン+オブラート ※大学時代少し流行った造語)
そして世間の評価と自分の評価とのずれに自分がいかんのか、ずれてるのか自分と、
落ち込みました。よくあることなんですが。
あの超映画批評でも85点の高評価なんですもの。
私の評価としては、
「ミステリー好き、ミステリーかじりには物足りないけれど、普通に見たら面白いのかも。」です。
そんな私はミステリーにわかです。
私の尊敬する内村光良さんは映画好きですが「つくった人がいるのだから」とあまり映画の批判をしないそうです。私もそういう思考を持てるようになりたいです。
でも今回は無理でした。
……というわけで以下、感想です。極力ネタバレを避けますが、
観る前の人は読まない方がいいかもという内容です。思いついたままに書きます。
この映画の予告編を見た時にまず人が思うことは、「なぜ22年越しに告白をするのだろう?」というところだと思います。まぁ「藤原竜也またこんな役かよ」とかもあると思いますが。笑
時効プラス7年な理由、そしてそもそも名乗り出る理由。
私、実は時効について処女作で扱っております。
時効を名乗り出るってどういう状況だろうと思案したことがあるのです。
それがいけなかったのかもしれません。
予告編時の私が思った名乗り出る理由の予想があたってしまいました。
←楽しめなかった1番の理由はそこかもしれません。
この作品はこれでもかと丁寧に伏線が張られています。演出だと思います。
観てる人にフェアと言えます。
ですが、この丁寧さが私には邪魔でしょうがありませんでした。
演出過剰ってことなのでしょうか。
早く次いって次。という感じ。
そして丁寧な割に、なーんかリアリティがないんです。
観ていて途中、実在の=リアルな、人物が2名脳裏に浮かびました。
1人はそれこそ、手記も出して話題になった神戸の酒鬼薔薇聖斗。
この人を思い起こす人は多かったと思います。 そしてもう1人は食人したけどそれはフランスでだからってことで
逮捕されずにエッセイストとかやってる佐川一政。
どちらも好感度があるようには思えません。
藤原竜也の顔だったらそんなに人気出るんですかねー?
いやー、でないでしょう。
人殺したやつの握手会並びますかね? 逆AKBですよ。怖いですよ。
もし酒鬼薔薇聖斗が同じことをやって、周りはそう動くかなぁというところで
リアリティがなく感じてしまいました。
マスコミ周りの感じもイマイチそれやらないだろって感じのことをします。
リアリティがなくなると切迫感がなくなるんですね。
音響でこれでもか、と切迫感を出そうとしていましたが。
あと、遺族はわかりますがそれ以外の人が感情爆発させすぎです。
そこは遺族との差を出しても良かったのではないかと思いました。
阪神大震災を絡めてる割になんか弱い。
「怒り」の沖縄の問題くらい重く扱っても良かったのではないかしらと感じました。
街の映像を何回も流す割に、後半での扱いが微妙でした。
たぶん色々詰め込んでいるからだと思います。
細かく演出しているようには感じましたので。
あと途中のトリック的なやつも伏線が丁寧ゆえにすぐにわかっていて
意外性がもう少し欲しかったところです。
これは俳優さん、展開を全部知っていて演技をしてるんだと思うんですが、
うまいがゆえにちょっとした表情も全部伏線なのがわかる感じですかね。
ここは私も思うところがありました。
例えば観客に真相をあかさない物語を作る時。
(結末は観客に任せるタイプのもの等)
観客には教えない情報を役者に教えるか否か。
(監督の決めている結末を教えるか否か。)
「このシーンをどういう気持ちで演じればいいのか?」
そう役者に聞かれた時に答えを教えるべきか。
ケースバイケースですが、なかなか難しい問題ですよね。
教えるとせっかく結末を隠しているのにそこに誘導することになりかねません。
場合によっては、だったら結末教えろよとなってしまいます。
役者としては知りたい事柄ですが、演出家としては教えたくない/役者の解釈に任せたい部分ってありますよねー。
話を映画に戻します。
ラスト周辺ですが、犯人の動機は面白いなと感じました。
スタッフロールに犯罪心理学の人とかも乗ってたんで、作り込んであるのかなと。
でもその動機だと時効と絡まないんですよねー。
連続殺人をそこでストップすると思えない理由なんです。
私の見落としでしょうか。
そこが最後まで、もやぁっとしました。
さらに22年目である必要はさほどなしです。タイトルに入れる必要なしです。
15年以上であればOKでしょう。
単に2017に合わせただけの感じ。
この内容なら2009〜2010年のそれこそ時効が話題になってる時こそやる意義がある感じです。
ちなみに2004年に殺人の時効は15年から 25年に延長されました。
そして2010年4月27日には公訴時効が撤廃されました。
それ以降、改正法の施行前に殺人があっても、その施行の際、公訴時効が完成していないのであれば、改正後の公訴時効に関する規定が適用されるんです。
だから2010年4月27日の時点で時効が完成しているか否かが大事になってくるんですね。
(参考:法務省だより)
ちょっと固くなったので戻します。
役者さん達の演技はとても良かったです。引き込まれました。
ていうかFF10のリュックの声の人、美人!
特に藤原竜也さんは眼で演技してましたね。
演劇だと眼の演技は見えないことが多いですが、
映画だとカメラ寄っていけますからいいですね。
あと一番良かったのは予告編!
上手なミスリードが入ってます。
総じて予告編の時が一番私的には面白かったですね。
こちらからは以上です。
スタッフロールに戦場カメラマンの渡部陽一さんの名前があって懐かしいなと感じました。
世間が何を面白いと感じるかは職業柄も脚本を書く者としても知るようにしています。
たとえ自分が世間とずれていたとしても、それを知っていること大切だと思うんです。
と、いうわけで今回は私の思考がマイノリティ、つまり変なおじさんでした。